ウェビナーに必要な機材とは?注意点を押さえてクオリティの高い配信をしよう|コラム|ABCアットビジネスセンター   

ウェビナーに必要な機材とは?注意点を押さえてクオリティの高い配信をしよう

従来のオフラインのセミナーと比べて、手軽に行なえることはウェビナーの魅力の一つです。最低限の機材で行なおうと思えば、スマートフォン1台でも可能です。ただし、クオリティの高いものを配信するためには、それなりの機材をそろえなくてなりません。

この記事では、ウェビナーに必須の機材から、クオリティを上げるために必要となる機材、またそれらを使用する際の注意点を解説します。特に社外向けのウェビナーを予定している方は、ぜひ参考にしてください。

■ウェビナー必要な機材

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ウェビナーの配信に必要なのは、インターネット環境とパソコンです。それぞれどのような点に注意すれば良いのか見ていきましょう。

インターネット環境

オンラインで実施するセミナーであるウェビナーを開催するには、インターネット環境が必須です。

インターネット環境は、配信のクオリティや安定性に直結します。ウェビナーはWi-Fiなど無線環境でも行なえますが、無線では回線が不安定なため、できるだけ有線にすることをおすすめします。回線が不安定になると、配信の途中で音声や映像が途切れる恐れがあり、視聴者にも離脱されてしまいかねません。

なお、有線には大きく分けてADSL・光回線の2種類がありますが、映像や音声データを配信するウェビナーの場合、ADSLでは容量不足になるため光回線が必要です。ただし、同一会場内で別の人が回線を利用すると、光回線でも不足することがあります。
例えば、同じ場所で同時にウェビナーを開催する場合などには、それぞれで専用回線を用意しておくほうが安心です。

パソコン

インターネット環境があれば、スマートフォンやタブレットでもウェビナーは行なえますが、使い勝手からするとパソコンがあったほうが望ましいでしょう。パソコンには、スマートフォンなどと比べて、映像や音声が乱れにくい、動画編集をしやすいなどの利点があります。

また、会場などへの移動を考えると、デスクトップよりノートパソコンのほうが便利でしょう。

ノートパソコンの場合、カメラやマイクが内蔵されているものが多いため、パソコンさえあればウェビナーは始められます。パソコンにカメラやマイクがない場合は、スマートフォンをカメラ代わりにできます。

ただし、パソコンのスペックは事前に確認しておいてください。ウェビナーを行なう際にはパソコンにウェビナーツールをインストールするため、ツールの推奨環境を満たすスペックが必要です。

具体的には、プロセッサーはCorei7相当以上、メモリは8GB以上が理想的です。録画配信で動画の編集まで行なう場合は、さらに高スペックのものが必要でしょう。

■ウェビナーのクオリティを上げる機材

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顧客に向けて新商品を訴求する場合など、ウェビナーの内容によっては高いクオリティが求められます。特に映像や音質のクオリティは、ウェビナーの理解度や満足度に大きく影響するでしょう。

ここでは、必須ではないものの、ウェビナーのクオリティを上げるのに必要な機材を紹介します。

カメラ

パソコンに標準搭載されている内蔵カメラは、画質の良くないものが多く、ウェビナーに最適とはいえません。高画質の映像で配信したいならば、外付けのカメラが必要です。また、パソコンの内蔵カメラは視野角が狭い傾向にあるため、講師などスピーカーが複数人いる場合には全体が映りません。視野角が広い外付けカメラであれば、複数人を1台で撮影できます。

カメラを選ぶ際は、画質や視野角のほかに、fpsもチェックしましょう。fpsとは、flame per secondの略で、1秒間に何枚の画像で動画を構成するかを示す単位です。フレームレートとも呼びます。

fpsの数値が大きいほど被写体の動きは滑らかになりますが、その分記録するデータ量が増えるため、パソコンや回線への負担が増える点がデメリットです。講師の表情を伝えるのなら15fps、商品の細かい動きまで違和感なく見せるには30fps程度が必要と考えておきましょう。

三脚

三脚は、外付けカメラを固定するために必要なものです。テーブルなどへの直置きは、カメラが落下したり、人やものがぶつかって映像がブレたりするリスクがあるため、おすすめできません。外付けカメラを使用する場合には、三脚で固定しましょう。

講師が座って話すだけなど、ウェビナー中にカメラを動かさないのであれば、リーズナブルな価格の三脚でも十分です。ただし、低価格な三脚は耐荷重が低い場合があるため、カメラの重さに耐えられるものかどうかは注意してください。

また、講師の動きを追うなど、ウェビナー中にカメラを動かす場合にはパン・チルト・ズーム(PTZ)が可能な三脚が必要です。PTZとは、カメラの水平・垂直方向への首振りとズーム機能のことで、この機能があれば1台で広範囲のエリアをカバーすることが可能です。

ウェビナー用の三脚は、どのようなカメラワークをしたいかに合わせて用意しましょう。

マイク

音質が悪いウェビナーは聞き取りにくく、視聴者にストレスを与えます。音質を上げるためには、指向性のある外部のマイクの導入も検討しましょう。

指向性のあるマイクでは、特定の方向からの音声だけを拾うため、周囲の雑音が入りにくく、クリアな音声になります。パソコンの内蔵マイクには指向性がありません。そのため、キーボードの打鍵音や周囲の雑音を拾いやすく、視聴者にとって聞きづらいウェビナーになってしまうのです。

なお、スピーカーが複数人いる場合には、マイクが1人1本あるのが理想でしょう。ただし、マイクを複数にした場合には、後述するスイッチャーやミキサーがないとハウリングが起きてしまうので注意してください。

スイッチャー/ミキサー

スイッチャーやミキサーを用意することで、ウェビナーの配信内容をよりプロフェッショナルなものにできます。スイッチャーは、映像や音声を切り替えるものです。スイッチャーがあれば、講師と資料の映像をワンタッチで切り替えられます。

例えば、1台のカメラで講師を、もう1台では資料を撮影しておき、講師の話に合わせて瞬時に資料の映像に切り替えることで、よりスムーズに説明できるのです。都度視聴者に画面共有をする必要はありません。

スピーカーが複数人登場するウェビナーでは、ミキサーがあると便利です。ミキサーは、マイク音声の配分を変えたり、映像にロゴを重ねたりできるものです。なかには、ミキサー機能を持つスイッチャーもあります。

一般的に、スイッチャーやミキサーは高価な機材なので、まずはレンタルで試してみるとよいでしょう。

照明

会場の蛍光灯だけでは、照明が足りず暗くなりがちです。画面が暗いと、講師の顔色が悪く見えてしまうほか、資料も見えづらくなってしまいますが、照明で光を補うことで明るい印象を与えられます。外部に向けて行なうセミナーなど、企業や商品のブランドイメージが重要な場合には、照明の導入も検討してみましょう。

また、照明だけでなく、ソフトボックスも併用すれば、よりやわらかな印象を演出できます。ソフトボックスとは、ライトにかぶせて使うライティング機材のことです。ライトの明かりを和らげてくれるため、全体をきれいに照らすことができ、ナチュラルに見せられます。撮影シーンやウェビナーで訴求したい世界観、被写体の特徴などに合わせて選ぶとよいでしょう。

例えば、強めのライトを弱めてくれる効果があるものは、近距離で講師を撮影するウェビナーなどに便利です。

クロマキー背景

ウェビナーのクオリティを上げるうえでは、背景を魅力的に見せることも大事です。グリーンバックやブルーバックを背景に使うことで、クロマキー合成が可能になり、背景を自由に変更できます。

クロマキー合成を活用すれば、ウェビナーのために背景を整える必要もありません。バーチャル背景は手軽ですが、境界線の色の判別が難しく、境目がゆがんで見えてしまう場合があります。クオリティを重視するのであれば、クロマキー背景を使うほうがよいでしょう。背景に資料を映し出せば、内容をよりわかりやすく伝えられます。

また、企業イメージに合わせた背景にすれば、好印象を与えられるでしょう。例えば、企業のロゴやコーポレートカラーを背景にしたり、ブランドメッセージを表示させたりすることで、世界観を統一できます。

ただし、クロマキー背景を使っていても、背景と衣服の色が似ていると同化してしまいます。白や赤など、背景色からできるだけ遠い色の服を着用するようにしましょう。

プロジェクター/スクリーン

会場にも参加者がいる、ハイブリッド型ウェビナーを開催するケースも増えています。

オンラインのみの配信ではない場合には、画面共有が使えません。その弱点を補うのが、プロジェクター/スクリーンです。図や表の詳細を説明するときなど、プロジェクターで資料を映すことで、リアルとオンラインのどちらの参加者にもわかりやすく伝えられます。

また、その際にレーザーポインターではなく、システム連動型ポインターを使えば、画面に直接表示できます。リアルとオンラインのどちらにもポイント先を明確に共有できるため、手振れやまぶしさなどのストレスも感じさせずに済むでしょう。

資料の背景色などに合わせて、ポイントの色や形状、サイズを自由に変えられるものが多いのも魅力です。

■ウェビナー開催前に機材トラブルの可能性を減らそう

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ウェビナー本番の前には、必ずテストを行なうことが重要です。同じ回線でつなぎ、マイクやカメラも実際に設置して、本番とまったく同じ環境でリハーサルを行ない、マイクのハウリング・ノイズ、照明の位置・明るさなどの問題がないかをチェックしましょう。

ウェビナーでは、映像の質が荒い・音声が不明瞭・画角がおかしい・資料の文字が小さくて読めない、などのトラブルが起きる可能性もあります。視聴者として参加してみて、映像や音声に問題はないか、講師の位置が遠すぎないか、画面共有はスムーズに行なわれているかなどを確認しましょう。スマートフォンやタブレットから参加する人もいるので、パソコン以外での見え方のチェックも大切です。

なお、パソコンは、トラブルに備えて予備のものを用意しておくことをおすすめします。突然の故障やアップデートなどで、使用予定のパソコンが使えなくなる可能性があるためです。

機材の準備を万端にしていても、肝心のパソコンが使えなければウェビナーを開催できません。予備のパソコンにも、あらかじめウェビナーツールをインストールしておきましょう。

まとめ

ウェビナーは最低限、インターネット環境とパソコンさえあれば実施できます。しかし、企業が行なうウェビナーとなると、外付けカメラやマイクなどの機材を追加で用意して、クオリティを上げることが求められるでしょう。

アットビジネスセンターでは、オンラインセミナーサポートがあるほか、Web会議レベルでの機材の貸し出しも行なっています。機材についてはプロがベストな演出をご提案するので、ウェビナーを開催するのが初めてという方でも安心してご利用いただけます。

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