
コロナ禍で外出自粛や仕事のリモート化が進むなか、インターネット上でセミナーを行なう「ウェビナー」が注目されています。
ウェビナーを円滑に開催するには、目的に合ったツール選びが大切です。しかし、ウェビナーツールにはさまざまな種類や機能があるため、どれが自分に合っているかわからない場合もあるでしょう。
そこでこの記事では、ウェビナーツールの機能や種類、選び方を解説し、おすすめのツールを7種ご紹介します。ツール導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ウェビナーとは
ウェビナーとは、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)をかけ合わせた造語です。
あらかじめ撮影したセミナー動画をインターネット配信したり、セミナーをリアルタイム配信したりすることで、セミナー主催者と参加者の新しい関係を生み出しています。
セミナー会場に主催者や参加者が集まる従来のセミナーと異なり、ウェビナーは会場を手配する手間やコストがかかりません。これまでセミナーのターゲットにならなかった遠方の顧客も呼び込みやすくなったため、セミナーを使った新しいマーケティング方法も考えられるでしょう。
また、ウェビナーにはセミナー参加者側にもメリットがあります。会場に足を運ぶ必要がなくなり、配信形態によっては、いつでも好きな時間にセミナーを視聴できるようになりました。
ウェビナーのメリットはコロナ禍においてさらに注目されており、今後も活用の場面が増えていくと考えられます。
ウェビナーツールの基本機能

チャットツールや社内会議アプリを使ってウェビナーを開催できると思いがちですが、これらのツールは参加人数などに制限があり、ウェビナーの自由度が減ってしまいます。
ウェビナーを円滑に実施したいなら、ウェビナー専用のツールを使うのがおすすめです。ウェビナーに特化しているウェビナーツールなら、ツール利用に自信がない方でも安心して利用できるでしょう。
ここでは、ウェビナーツールの基本機能を解説していきます。
ライブ配信機能
ライブ配信とは、リアルタイムで映像と音声を配信することです。ライブ配信機能はウェビナーツールの最も基本的な機能であり、この機能の有無や使いやすさが、ウェビナーツール選びの指標といえます。
録画したものを配信する形態と違い、ライブ配信はリアルタイムで質問・応答できるため、配信者と参加者の相互コミュニケーションも可能です。
録画機能
録画配信は、あらかじめ撮影した動画を配信する機能です。この機能により、スケジュールが合わなかった視聴者でも、セミナーを逃さず視聴できます。
録画したものを配信するだけでなく、営業記録などとして残せる点も録画機能のメリットの一つといえるでしょう。
リアルタイムチャット機能
動画配信が主流となっているウェビナーは、オフラインでのセミナーよりもコミュニケーションが一方向になりがちです。
リアルタイムチャット機能を利用すれば、ウェビナー中のコミュニケーションが容易になります。また、挙手機能などがあれば、チャット内容の見逃しがなくなり、コミュニケーションがさらに便利になるでしょう。
アンケート/投票機能
アンケートや投票機能を備えたツールもあり、アンケートや投票の有無等をウェビナー開催前に設定可能です。アンケートを配布・回収する手間が省けるだけでなく、参加者の人数を把握できるといったメリットもあります。
参加者管理機能
ウェビナーの円滑な進行には、参加者の把握が欠かせません。参加者管理機能を利用すると、事前の参加登録や参加の承認・出欠確認・参加者のアクセス制限などを行なえます。
また、ツールによっては各種集計結果をCRMやMAと連携できるため、必要に応じて外部ツールも活用してみてください。
支払い機能
ウェビナーツールに、支払い機能が直接備わっていることはあまりありません。しかし、一部のツールには外部連携により、参加者の情報と支払い状況を一括管理できるものもあります。
ウェビナーツールの種類

ウェビナーツールには、1対N型・N対N型・テーブル型の3種類があります。それぞれのタイプの特徴を詳しく見ていきましょう。
1対N型
1対N型は、説明会や発表会などの主催者側が、大勢の参加者に向けて話す方式です。
1対N型ではウェビナーの規模が大きくなる可能性が高いため、説明資料の共有機能などがツールに求められます。
また、大規模配信には安定した通信環境も必要不可欠です。回線が安定しているか、もし回線が途絶えてしまった場合でもスムーズに対応できるかなど、配信環境にも注意してツールを選ぶとよいでしょう。
N対N型
N対N型は、社内会議やオンライン授業のように、主催者と参加者が相互にやりとりする方式です。
双方向のやりとりを可能にするため、ツールでは挙手機能やチャット機能などコミュニケーション機能の有無が重要となります。
N対N型のウェビナーでは、ウェビナーに参加しやすくなるよう、参加までの手間を可能な限り減らすという視点も必要になるでしょう。
テーブル型
テーブル型は、展示会や合同説明会などと同様に、オンライン上に用意された複数のテーブルを選択し、参加者がそれぞれ対話、交流する方式です。1対N型とN対N型の両方の性質を併せ持っているため、ツールに求められる機能も幅広いといえます。
なお、テーブル型でウェビナーを開催するには、バーチャルな会場をつくり、テーブルごとに会話を分けられるなど、特殊な機能を持ったツールが必要です。ツール選びの際、これらの機能が含まれているか必ず確認してください。
ウェビナーツールを選ぶ際のポイント

ウェビナーツールにはさまざまな種類や機能がありますが、どのような基準でツールを選択すれば良いのでしょうか。ここでは、ウェビナーツールを選ぶ際のポイントを4つ解説します。
目的に合ったツールを選ぶ
どのようなウェビナーを開催するのか明確にして、目的達成に必要な機能があるツールを選びましょう。評判が良いというだけで選ぶと、機能が足りなかったり、機能が多すぎてコストがかかってしまったりするかもしれません。
大人数対応のツールは費用も高額になる傾向があるため、規模に合わせたものを選ぶことも大切です。
参加の敷居が低いものを選ぶ
ウェビナーには参加しやすさも求められます。
参加のハードルが上がらないよう、アカウント登録をせずに利用できるツールの利用がおすすめです。ただし、ウェビナー内で機密性が高い情報を扱う場合は、登録制にしたうえで、しっかりと参加者を管理できるツールを選択してください。
また、パソコンやスマートフォンなど、さまざまなデバイスから参加できるよう、マルチデバイスに対応したツールを選ぶことも重要です。
コミュニケーション機能が充実したものを選ぶ
ウェビナーはオフラインでのセミナーよりも、参加者の参加意識が希薄になりがちです。集中してウェビナーに参加してほしいなら、コミュニケーションをとりやすいツールを選択しましょう。
コミュニケーション機能の例としては、挙手機能やコメント機能、アンケート機能などが挙げられます。必要な機能を見極めて、コストと比較しながらツールを検討してみてください。
サポート体制が充実したものを選ぶ
配信が途切れるなどのトラブルは、ウェビナーでよく発生するトラブルの一つです。
ツールのサポート体制が充実していないと、不慮のトラブルに対応できなくなり、ウェビナーを満足に進行できなくなってしまいます。
また、配信トラブルはウェビナーだけでなく企業の評価にも影響するため、トラブルにしっかりと対応できるよう準備しておきましょう。
ウェビナーツール7選

おすすめのウェビナーツールを7つ紹介します。それぞれの特徴を知り、目的に合ったツールを選択することが大事です。
・Zoom Webinars
Zoom Webinarsは、他のウェビナーツールと比べて最大接続人数が非常に多く、プランによって最大接続人数が異なるのが特徴です。ウェビナーに必要な機能が一通りそろっているため、どのツールにするか迷っている方は、まずはZoom Webinarsの利用を検討してみてください。
Zoom Webinarsにはチャットやコメント・挙手・Q&Aの機能があるため、参加者が積極性を失うこともありません。ウェビナー開催の目的を達成できるよう、必要な機能を十分に活用しましょう。
最大接続人数 | 500~5万人 |
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月間利用可能時間 | 要問い合わせ |
料金プラン | 最大500人 1万700円/月/ライセンス 最大1,000人 4万5,700円/月/ライセンス 最大3,000人 13万3,100円/月/ライセンス |
機能 | ライブ配信、録画、チャット、コメント、挙手、投票、アンケート、画面共有、ファイル転送 など |
・Cisco Webex Events
セミナーを高品質で視聴できるCisco Webex Eventsは、AndroidやiOSなどのデバイスからでも利用可能なウェビナーツールです。
チャットでの発言だけでなく、音声で参加できるなどのさまざまなオプションも用意されているため、双方向のコミュニケーションが可能。ウェビナーを録画して、今後のマーケティングに利用できるなどのメリットもあります。
ウェビナー後のフォローやデータ分析も容易に行なえるため、ウェビナー後を見据えたサービスが必要な方におすすめです。
最大接続人数 | 最大10万人 |
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月間利用可能時間 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能 | ライブ配信、チャット、投票、アンケート、ジェスチャー認識 など |
・bizplay
bizplayはビジネス動画専用のプラットフォームで、固定費・月額費用がかからない、完全成果報酬型のシステムが特徴です。
bizplayに動画を掲載すると、関心のあるユーザーがその動画を視聴し、動画を視聴したユーザーの情報を獲得できます。また、bizplayを利用すると、日経会員約930万人に対してアプローチできるため、宣伝効果も期待できるでしょう。
コンテンツ制作のサポートも受けられるため、動画配信を予定している方はぜひ利用を検討してみてください。
最大接続人数 | 要問い合わせ |
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月間利用可能時間 | 要問い合わせ |
料金プラン | 固定費・月額費用0円 リード1件ごとの成果報酬型 |
機能 | 動画配信 |
・Cocripo
Cocripoは、ウェビナーに特化したツールで、必要な機能のみを集約したシンプルかつ簡単なシステムが特徴です。URLをクリックするだけで、顔出しなしでウェビナーに参加できるため、参加者も安心して利用できます。
国産のツールならではのサポート体制も、魅力の一つ。有料プランは初月無料で試せるため、まずは一度試してみて、使い勝手を確認してみるのもよいでしょう。
最大接続人数 | ビジネス:100人 エンタープライズ:300人 |
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月間利用可能時間 | ビジネス:10時間 エンタープライズ:20時間 |
料金プラン | ビジネス:月額3万円(税抜) エンタープライズ:月額7万円(税抜) |
機能 | 動画配信機能、PDF配信、画面共有、チャット、参加者音声発言、アンケート、録画、参加者情報の追加取得 など |
・FreshVoice
FreshVoiceは、ウェビナー開催の手間を減らし、だれでも素早く簡単にウェビナーへ参加できる操作性が特徴のツールです。
最大250拠点の大規模なウェビナーにも対応でき、複数拠点での同時発信が可能で、音声が途切れないため、ストレスなくウェビナーを進行できるでしょう。
国内メーカーならではのサポートもあり、操作方法を丁寧に教えてもらえるため、初めてウェビナーを開催する場合でも安心できます。
最大接続人数 | 最大250拠点(フラットプランのみ) |
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月間利用可能時間 | リミット10 従量課金プラン:10時間/月 リミット20 従量課金プラン:20時間/月 フラット定額プラン:無制限 |
料金プラン | リミット10 従量課金プラン:1万6,500円~ リミット20 従量課金プラン:2万7,500円~ フラット定額プラン:1万9,800円~ ※初期費用:11万円 |
機能 | ライブ配信、ドキュメント共有、内容の録音・録画 など |
・V-CUBEセミナー
V-CUBEセミナーはマルチデバイスに対応しており、専用アプリのダウンロードも不要なため、参加のハードルが低いのが特徴です。
年間配信件数5,000件の実績を持つプロから、会場手配・配信準備・台本作成・カメラワークなどのさまざまなサポートを受けられます。
最大接続人数 | 2万6,000人 |
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月間利用可能時間 | 要問い合わせ |
料金プラン | 35万円~(セミナー・配信スタジオ・配信スタッフの合計料金) |
機能 | ライブ配信・オンデマンド配信、アンケート、チャット、マルチデバイス対応 など |
・ネクプロウェビナー
ネクプロウェビナーはテーブル型のツールで、100名からの利用に対応しています。
ネクプロウェビナーの特徴は、充実したサポート体制。ウェビナー開催から成果の分析、分析データをもとにした集客サポートまで、幅広いサポートを受けられるため、ウェビナー開催準備を安心して進められるでしょう。
最大接続人数 | 100名~ |
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月間利用可能時間 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能 | 動画配信機能、アンケート、レポート管理、リード管理 など |
ウェビナーツール7選比較表
ツール名 | 最大接続人数 | 月額利用可能時間 | 料金プラン | 機能 |
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Zoom Webinars | 500~5万人 | 要問い合わせ | 最大500人 1万700円/月/ライセンス 最大1,000人 4万5,700円/月/ライセンス 最大3,000人 13万3,100円/月/ライセンス |
ライブ配信、録画、チャット、コメント、挙手、投票、アンケート、画面共有、ファイル転送 など |
Cisco Webex Events | 最大10万人 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | ライブ配信、チャット、投票、アンケート、ジェスチャー認識 など |
bizplay | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 固定費・月額費用0円 リード1件ごとの成果報酬型 |
動画配信 |
Cocripo | ビジネス:100人 エンタープライズ:300人 |
ビジネス:10時間 エンタープライズ:20時間 |
ビジネス:月額3万円(税抜) エンタープライズ:月額7万円(税抜) |
動画配信機能、PDF配信、画面共有、チャット、参加者音声発言、アンケート、録画、参加者情報の追加取得 など |
FreshVoice | 最大250拠点(フラットプランのみ) | リミット10 従量課金プラン:10時間/月 リミット20 従量課金プラン:20時間/月 フラット定額プラン:無制限 |
リミット10 従量課金プラン:1万6,500円~ リミット20 従量課金プラン:2万7,500円~ フラット定額プラン:1万9,800円~ ※初期費用:11万円 |
ライブ配信、ドキュメント共有、内容の録音・録画 など |
V-CUBEセミナー | 26,000人 | 要問い合わせ | 35万円~(セミナー・配信スタジオ・配信スタッフの合計料金) | ライブ配信、オンデマンド配信、アンケート、チャット、マルチデバイス対応 など |
ネクプロウェビナー | 100名~ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 動画配信機能、アンケート、レポート管理、リード管理 など |
コロナ禍で広まるウェビナーを活用すれば、オンラインの特性を活かしてさまざまなコンテンツを提供できます。
ウェビナーツールは数多くありますが、ウェビナーの目的・参加人数・必要な機能などを考慮して、適したツールを選択しましょう。どのツールにしようか迷う場合は、Zoom Webinarsがおすすめです。
なお、ウェビナー会場をお探しの場合は、アットビジネスセンターの会議室の利用がおすすめです。ウェビナー用のコンテンツ制作やライブ配信などのサポートも実施しているため、ウェビナー初心者でも安心して利用できます。
ウェビナーを開催予定の方は、ぜひ問い合わせてみてはいかがでしょうか。