ウェビナーツールにはさまざまな種類があり、Zoomウェビナーもその一つです。
ZoomといえばZoomミーティングがよく知られています。Zoomウェビナーとミーティングとの違いがよくわからないという方も多いかもしれませんが、両者は機能や料金プランに大きな違いがあるのです。
そこで今回の記事では、Zoomウェビナーの基本的な使い方や、Zoomミーティングとの違いなどを解説します。
Zoomウェビナーとは
まずは、Zoomウェビナーとはどのようなツールなのか、その特徴やZoomミーティングとの違い、料金プランを解説します。
Zoomウェビナーの特徴
Zoomウェビナーは、ウェビナー(オンラインセミナー)を行なうためのツールで、Web会議システムの一つです。利用プランに応じて、最大500名~の視聴者に対応できます。
Zoomウェビナーには、ウェビナーをサポートする多彩な機能が備わっています。例えば、ウェビナー中にリアルタイムで実施できるQ&Aや投票、アンケート機能などです。
また、運営面をサポートする機能として、視聴者の一覧や参加時間のレポート出力などもあります。こちらは、ウェビナーの改善や参加者へのフォローアップなどに活用できるでしょう。
さらに、YouTubeなどでのライブストリーミング配信もでき、他チャンネルを介して不特定多数の視聴者を集めることも可能となります。
ZoomウェビナーとZoomミーティングの違い
ZoomウェビナーはZoomミーティングと異なり、マイク・カメラ・画面の共有などの操作がホスト・パネリストに制限される、などの違いがあります。
以下に、ZoomウェビナーとZoomミーティングの相違点をまとめました。
Zoomウェビナー | Zoomミーティング | |
---|---|---|
使用目的(利用シーン) | 大規模なイベントやセミナー | 会議など |
利用人数の上限 | ライセンスに応じて 500名~1万名 |
ライセンスに応じて最大1,000名 無料プランで最大100名 |
カメラ・マイク操作 | ホストとパネリストのみ | 参加者全員 |
画面共有 | ホストとパネリストのみ | 参加者全員 |
テキストチャット | 参加者全員 | 参加者全員 |
Q&A | あり | なし |
参加者一覧の閲覧 | ホストとパネリストのみ | 参加者全員 |
ブレイクアウトルーム | なし | あり |
参加者全員による双方向の交流がしやすいZoomミーティングに対して、Zoomウェビナーは1名~数名のホスト・パネリストが視聴者に向けて話すスタイルが基本です。そのため、広く参加者の発言を期待する会議などではなく、大規模セミナーなどに向いたツールとなります。
Zoomウェビナーの料金プラン
Zoomウェビナーを利用するには、プロ・ビジネス・企業の有料プランに加入したうえで、Zoomウェビナーのアドオンプランを購入する必要があります。
有料プラン
1ライセンスあたりの料金(月) | 1ライセンスあたりの料金(年) | ライセンス数 | |
---|---|---|---|
プロ | 2,000円 | 2万100円 | 1~9 |
ビジネス | 2,700円 | 2万6,900円 | 10~99 |
企業 | 2,700円 | 3万2,300円 | 50~ |
Zoomウェビナーのアドオンプラン
参加人数 | 1ヵ月あたりの料金 (月払い) |
1ヵ月あたりの料金 (年払い) |
---|---|---|
500人 | 1万700円 | 7,733円 |
1,000人 | 4万5,700円 | 3万8,083円 |
3,000人 | 13万3,100円 | 11万883円 |
5,000人 | 33万4,700円 | 27万8,883円 |
1万人 | 87万2,300円 | 72万6,883円 |
1万人以上 | 要問合せ | 要問合せ |
※2022年5月現在
Zoomウェビナーのアドオンプランは上記のように、500人~1万人以上の範囲で6段階の設定があります。料金支払い方法は月払いと年払いがありますが、定期的にウェビナーを行なうのなら年払いがお得です。これらの違いは参加人数だけで、機能面では料金による違いはありません。
また、オプションとして、録画したビデオなどを保存する「クラウドストレージ」や、迅速なトラブル解決のための「プレミア デベロッパー サポート」などが用意されています。
Zoomウェビナーのメリット・デメリット
Zoomウェビナーのメリット・デメリットを、開催者側と視聴者側に分けて解説します。
開催者側のメリット
開催側は、大きな会場を借りる必要がなくなり、コストが抑えられます。会場使用料だけでなく、スタッフの人件費や会場の備品などにかかる経費も抑えられるでしょう。
また、開催者が移動することなく、全国各地に住む人たちへ向けて同時に配信できる点も魅力です。参加人数の増減にも柔軟に対応しやすく、会場の上限人数などの制約に縛られる現地でのセミナーと比較して、より多くの参加者を柔軟に集められます。
開催者側のデメリット
ウェビナーは気軽に参加できる形式である反面、視聴者が離脱しやすいデメリットがあります。画面を通したセミナーでも、視聴者の興味を引くような高いプレゼン能力が必要です。また、視聴者の顔が見えないため、ウェビナーの内容を理解してもらえているか、退屈していないかなど、反応がわかりづらいという点もあります。
視聴者側のメリット
視聴者側のメリットとしては、会場まで移動することなく、セミナーやイベントなどに参加できる点があります。ウェビナーはパソコンやタブレット、スマートフォンなどから視聴可能なため、場所を問わず誰でも気軽に参加でき、アーカイブ視聴であれば時間に縛られることもなくなります。
視聴者側のデメリット
視聴者側のデメリットは、視聴者自身でインターネット環境を整える必要がある点です。特にツールに慣れていない人にとっては、初めてのウェビナーは敷居が高いと感じるかもしれません。また、カメラを通じての参加は、現場に足を運んで参加するのと比べて、モチベーションや集中力が低下しやすいというデメリットもあります。
Zoomウェビナーの基本的な使い方
Zoomウェビナーを実施するために必要なものは以下のとおりです。
・パソコンまたはタブレット端末
・Zoomのソフトやアプリ
・マイク
・カメラ
・スピーカー
・イヤフォン(またはヘッドフォン)
Zoomウェビナーの基本的な使い方を、以下で詳しく解説します。
スケジュールの設定
Zoomウェビナーのスケジュール設定手順は以下の流れです。
①ログインして、画面左側の「ウェビナー」を選択
②「ウェビナーをスケジュールする」をクリック
③開催日時などの入力項目を設定
④「スケジュール」をクリックして設定完了
③で入力するおもな項目は以下のとおりです。
入力項目 | 内容 |
---|---|
トピック | ウェビナーのタイトル |
説明 | ウェビナーに関する説明(任意入力) |
開催日時 | ウェビナーの開催日時 |
所要時間 | ウェビナーの長さ |
定期開催ウェビナー | 定期的に開催する場合はオンにする |
ウェビナーのパスコード | ウェビナーに参加者が入室する際に必要となるパスコード |
ビデオ | ウェビナー開始時にホストとパネリストのカメラをオン/オフの どちらにしておくか設定 |
音声 | どの機能を使ってウェビナーの音声を視聴するか設定 (ダイヤルイン機能・Zoomアプリのオーディオ機能・左記の両方) |
ウェビナー | ウェビナーで使用できる各種機能の使用について設定 |
入力項目「ウェビナー」には、質疑応答機能や自動録画、オンデマンド配信など、付加的な機能の使用有無が設定できます。このなかの「実践セッションを有効にする」は、ホストとパネリストのみで事前のリハーサルや動作確認が行なえるようになるため、オンにしておくのがおすすめです。
招待状の設定
Zoomウェビナーでは、パネリストや参加者へ招待状を送付する機能があります。招待状の設定は、以下の流れで行ないます。
①ログインして、対象のウェビナーを選択
②「招待状」タブから「パネリストを招待」の「編集」をクリック
③パネリストの名前とメールアドレスを入力して保存
④「参加者を招待」の「招待状のコピー」からウェビナーのURLを参加者宛に配布
その他、「Registration Settings」にて「自動承認」の「編集」をクリックすることにより、参加者の登録方法を細かく設定できます。例えば事前登録に関するカスタマイズや、自動承認や登録者数の制限などのオプション設定があります。
メールの設定
招待状をはじめとした、Zoomから送信されるメールに関する設定ができます。
①ログインして、対象のウェビナーを選択
②「メール」タブから設定可能
メール設定では、以下のような設定が可能です。
・返信先のメールアドレス
・リマインダーメールやフォローアップメールの内容
・上記メールをいつ送るか
注意点として、メールの初期設定では、Zoomアカウントのメールアドレスが返信先になっています。アカウントのメールアドレスは担当者個人のアドレスであることが多いと思いますので、主催者のチーム全体で確認できる問い合わせ用アドレスなどに変更しておきましょう。
ブランディングの設定
「ブランディング」では、招待状や事前登録ページのデザイン設定を行ないます。
①ログインして、対象のウェビナーを選択
②「ブランディング」タブから設定可能
初期設定では、招待状や事前登録ページがシンプルな状態です。ブランディングの設定によって、参加者の参加意欲向上にもつながるため、ぜひカスタマイズしておきましょう。デザイン、バナー、ロゴ、テーマカラーなどを設定できるほか、講演者のプロフィールも登録できます。
投票/アンケートの設定
ウェビナーをよりインタラクティブなものにするために、投票/アンケート機能を活用しましょう。
①ログインして、対象のウェビナーを選択
②「投票/アンケート」タブから設定可能
投票時の質問内容は事前に登録しておくことができます。投票は50個設定可能で、各投票にそれぞれ最大10個の質問が設定可能です。
質疑応答の設定
Q&Aに関する詳細設定が行なえます。
①ログインして、対象のウェビナーを選択
②「質疑応答」タブから設定可能
具体的な設定内容としては、匿名質問の可否や視聴者が質問を閲覧できるかなどがあります。
ウェビナーの開始
当日のウェビナー開始方法は以下のとおりです。
①ログインしてウェビナー一覧から「参加」を選ぶ
②「Zoom.usを開きますか」を表示されたら「開く」を選択
③「どのように音声会議しますか?」と表示されたら「コンピューターオーディオに参加する」を選択
④「ビデオの開始」をクリックするとセミナーが開始される
参加者はホストから届いた登録URLにアクセスすることにより、ウェビナーを視聴できるようになります。
Zoomウェビナーの便利な機能の使い方
Zoomウェビナーには、さまざまな便利な機能があります。ウェビナーをサポートする機能を利用して、視聴者に積極的に参加してもらうよう工夫すれば、Zoomウェビナーがより成功しやすくなるでしょう。ここではZoomウェビナーの便利な機能のうち、おすすめの3つの機能について使い方を解説します。
画面共有/ホワイトボードの使い方
画面共有は、自分のパソコンなどに表示された画像を視聴者と共有する機能です。ウェビナー進行時に参加者と資料を共有するのはもちろん、YouTubeなどの動画視聴を共有するなど、なにかと使い勝手が良い機能です。画面共有は、ホストだけでなくパネリストも行なえます。
使い方
①コントロールバー下の「画面共有」をクリック
②共有したいファイルを選択
③「共有」をクリック
④終了するときは「共有を停止」
ホワイトボードは画面共有の一種で、ホスト・パネリストが自由に書いたものを共有できる機能です。手書きの文字のほか、マウスで描いた図やテキストを書き込むことも可能です。ホワイトボードに書き込んだものは画像として保存もできるため、メモや議事録のような使い方もできますし、振り返りやあとで参加者へシェアするためにも活用できます。
使い方
①コントロールバー下の「画面共有」をクリック
②「ホワイトボード」を選択して共有
③ホワイトボード画面上の操作パネルで「テキスト」や「描き込む」を選択して文字や図形を書く
④終了するときは「共有を停止」
ホワイトボードには、ホストの許可があれば参加者も書き込みが可能で、誰が書いたかを表示できるシステムもあります。もちろん勝手な書き込みは困るため、コントロールしつつ活用しましょう。前もっての機能制限や、Zoomウェビナー中に設定を変えることも簡単にできます。
挙手機能の使い方
オフラインセミナーと違って、オンラインセミナーでは参加者の挙手を確認しづらいものです。しかしZoomウェビナーの挙手機能を使えば、ウェビナー中の参加者の挙手をすぐに確認できます。この機能を利用して質問を受け付けるほか、簡単な多数決や理解度の確認などにも使えます。
使い方
①ウェビナー中に参加者から挙手があった場合、「○○が手を挙げました」と通知される
②挙手した人に対応する(解除は挙手した人が行なう)
基本的には挙手を降ろすのは参加者側が行ないますが、ホスト側でまとめて降ろすことも可能です。
チャット機能の使い方
参加者からの質問やリアクションを適宜取り入れることで、ウェビナーはより有意義な場となりえます。しかし大規模なセミナーやイベントであるほど、スムーズな進行のために参加者のマイクはミュート設定にすることが多いでしょう。このような場合でも、チャットを使えばリアルタイムのコミュニケーションが可能です。チャットの宛先は、全体宛と個別宛で使い分けられます。
使い方
①コントロールバーから「チャットします」をクリック
②画面右側にチャットウインドウが開く(ウインドウはポップアップも可能)
③宛先を変更する場合は「宛先:」の右側をクリック
④メッセージを入力
チャットウインドウを開いていないときでも、メッセージを受信した場合は「チャットします」に通知が出るため、すぐに確認できます。
Zoomウェビナーはウェビナーをサポートするさまざまな機能を持ったツールです。各種オプション機能も有効活用して、ユーザー満足度の高いセミナー開催から今後の集客へとつなげていきましょう。
ウェビナーの品質をより高いものにするには、ウェビナー会場として環境の整った貸し会議室を利用するのもおすすめです。社内とは違った会議専用の環境で、オンラインセミナーに必要な備品の貸し出しも可能です。
アットビジネスセンターはオンラインセミナーサポートもあり、ウェビナー開催が初めてでも安心してご利用いただけます。Zoomウェビナーなどのツールサポートはもちろん、必要に応じて動画撮影やライブ配信まで対応可能ですので、ぜひご相談ください。